2011年4月25日月曜日

put your hands up toward the sun


昨日は駒込の雑貨屋さん兼ギャラリーのベジカで、
チャリティーイベント「手のひらを太陽に」に参加しました。

家自炊愛好家で料理教室を開催している

港区エコプラザでオーガニックライフスタイリスト講座を
受けている時にお友達になった
月のリズム米栽培や自然療法の実践家の中嶋栄子さん、

神田のヨガ教室にも通ってくれて、いつもすてきな笑顔や
暮らしに役立つヒント、時には野菜やお惣菜をシェアしてくれる
大切なお友達の2人と、一緒に企画したトークでした。

放射線がビンビン漏れている困った現状で、
日々の暮らしや自然食、アーユルヴェーダの視点から、
どうやったら元気に過ごすことができるかについて、
八重桜の花びら吹雪くベジカのお庭に
不格好な椅子を沢山並べて、お話ししました。

ついこの間、
アトムやドラえもんやキティちゃんが生まれた20世紀にも、
たくさんの人が亡くなった二つの世界大戦があって、
飢えとの戦い、ダイオキシンやオゾン層の破壊、
冷戦による核戦争の恐怖、新型インフルエンザなど
ほんとうに色々なことがありました。

現在進行中の悲劇も、たくさんあります。

そして、いろいろな過ちや間違いの中で 新しい方向性が生まれ
それまではイケイケだったのにさびれた産業や、
新しく生まれた仕事もありました。

今起ってること、これから起こること、
わからないことも、不安もあります。

でも、お庭に座って 硬い表情から
次第に笑顔にかわっていく 皆を見ていたり、

ゆみえちゃんの美味しい紫蘇の実入りの玄米おむすびと
温かい豆乳スープを飲んだり、

チャリティーバザーで 変テコな雑貨を 沢山買って
皆に笑われたり、

楽しい思い出がまた一つできたことは、
これもまた、間違いの無い真実です。

そして、皆さんからの寄付金は、必要としているところに
千絵子さんが責任をもって寄付してくれるそうです。

来てくれた皆さん、ベジカの千絵子さん、
ゆみえちゃん、みゆきちゃん、あみパンのあみちゃん、
どうもありがとうございました。

2010年1月15日金曜日

book talk


同じ時期に滞在してるメンバーは
毎日食事のたびに顔を合わせてるので
自然と親しくなっていくことが多い。

お互いにすっぴんで、治療の経過をおしゃべりしたり。
それぞれ調子が悪いときもあれば、元気なときもある。
たまたま今回居合わせた3人は皆イギリス在住。

読み終わった本をお互いに貸し借りしてる。
私は読書ブームがまたやってきていて、
皆がどんな本を読んでるのか興味がある。

The Girl with a Dragon tattooはNYタイムズにも書評がのっていて、
気になってた世界的なベストセラー。
金曜の夜は指圧マッサージを受けてから夜遊びに行くのが儀式!
という、まだ遊びたい盛り・ロンドン在住の建築家である
スチュアートが食事のテーブルに持ってきた。
面白いけど、暴力的な表現が多いらしいので私には却下?

かわりに、ドイツ系イギリス人女性のシオンには
おすすめのナチュラルな女性健康本をたくさん伝授されて興奮!
彼女は南ロンドンの鍼灸師・ドゥーラ(助産師)で
更年期に伴う甲状腺機能の低下が何をやっても改善されず、
ここを紹介されたのだそう。

頭痛と耳鳴りにこの2年ほど悩まされているサムからは 
アフルエンザという一冊をすすめられた。

アフルエンザ=インフルエンザ(感染症)+アフルエント(富裕)

クレジットカードを使って、実際の収入を上回る消費をしまる人々。
買い物を通じてしか、自分のアイデンティティを表現できず、
そのリッチな生活にかかる費用を払うためにクレジット返済に終われ、
家族とゆっくり過ごしたり、
地域を豊かにするための時間もなくなっている
現代人のライフスタイルを検証してる一冊だそう。
アメリカでは、毎年大学を新しく卒業する人の数より、
自己破産を申請する人の数のほうが多いのだって。

カリフォルニアに住んでるときは、死ぬほどクレジットカード会社からの
勧誘の手紙が届いてたことを思い出す。
加入すると、現金で2000ドルをお届けします、みたいな小切手が入ってて
もちろんそれはたっぷり利子がついて自分が毎月返済していくんだけど、
罪悪感なくお金を借りやすい、使いやすい仕組みができてるのは確か。

大人になって広告宣伝のターゲットになる前に、
宮部みゆきの「火車」を読んで欲しいなぁ。

サムは3人の小さな子供がいて、自らが経営するIT会社で
従業員が12人にも増えてとっても順調にいってる。
ロンドンから一時間ほど南の田舎へ引越ししたばかり。
週の半分くらいロンドンへの通勤に時間はかかるのだけど、
子供が安全な環境でたくさん遊べて、ビーチもすぐだから。
この本を読んで、自分の決断を肯定されるような気がしたのだそう。

おすすめされた本は
”ネットが安定する環境へ行ったら注文する”
フォルダーにいれてみた。

ああ、それにしてもインターネットで帰国したら行きたい
レストランの食ベログをダウンロードしまくってる
なんてことを告白して、笑われたり。
(それも超肉食内臓系・・・)
人とは業の深い生き物であります。

2010年1月11日月曜日

starting anew


大晦日の晩、星がきれいに見える南インドの小さな村。

パンチャカルマの最中は、ありあまる時間の中で、
肉体にこびり付いた固定パターンが浮き上がって顕在化していく。

もちろん心と身体はつながっているから、
ドーシャ排出に付随して、心の奥底からも、
処理し切れてなかったことや 陥りがちな思考のクセ、
潜在意識の奥の部屋に隠してたことなんかが
関連性もなく、連続的に、かなりしつこく 
表面に浮かび上がってくる。

アイディアが浮かぶ、後悔が浮かぶ、人の顔が浮かぶ。
執念や野心や不安や懺悔やら もうドロドロです。

何か思っても、
それは時間的にも距離的にも、今は遠い場所にある
だからどうしようもできないなぁ と思って、
持ってきた蜜蝋のろうそくに火を灯し、座ってみる。
メッタ瞑想の応用編でホ・オポノポノをやってみよう。

まずたっぷり時間をかけて自分から。
ありがとう ごめんなさい ゆるします あいしています

それから、一人ひとり顔を浮かべて、エネルギーをつなげて、
ありがとう ごめんなさい ゆるします あいしています

香、何があっても応援してるからな。とか、
元気で幸せだったら、好きなことやりなさい。
         困ったらいつでも帰っておいでね

を、両親からもらって、涙ぽろぽろぽろ

笑顔がポン、って明るくなる人もいれば、
ぎくしゃくして、ちょっと緊張しちゃう人もいる。
心から受け取ってもらえたか 怪しい人もいる。
でも、本当に伝えたい大切な言葉は、
煮詰めるときっと、この4つ。
みんな、悟りたい限りじゃなくて、
お互い大事にし合いたいだけなのかも。

ありがとう ごめんなさい ゆるします あいしています

大好きな絵描きの彼女に思い送りしてたら、
おめでとう の言葉がひょっこり追加で浮かんできた

おめでとうって、なに~! 

と、笑ってたら、もっと涙が出てきた。

ドアがノックされて、
満月の今夜は月食でもあるから、
その前にご飯を済ませなさいね
と全く欠けたところのないアシュウィン先生が顔を出した。

ちょっとヘソの位置がずれてる私としては、
昔から、新年なんて欲しくて選んだことでもないし、
何がおめでたいのかさっぱりわからない!と思ってたけど、

そんなに悪いものでもないんだろう、きっと。
瞑想を終えると、ほとんど心待ちな気持ちさえした。

2010年1月5日火曜日

India, again


インドに来ました!

アクセスの良い便がとれたので、ムンバイ着直後、
南部マンガロールへと飛行機を乗り換えて向かう。
到着から次の便の出発まで間にあるのは2時間半。
隣接する空港だから、円をルピーに両替して、
荷物を回収しても、そんなに無理はないはず、、、だったのに。

でもここはインド!

税関を出た後、そこで方向を指示していたおじさんに
「国内線への乗り換え、マンガロールへ行くんだけど?」
と尋ねると、左を指差す。
そっちの方向へ行くと、カウンターにひしめく人々。
係員のおじさんを捕まえて、再びたずねると、ここでこのまま待ってなさい、
との指示。もう一人に聞いても同じ答え。

  待ってろって、何を待てばいいの?


外国人の女の子がヨガマットを持って座っているのが目に入ったので、

国内線に乗り換えるのに、ここで待ってろって言われたのだけど?

と話しかけると、

空港間を移動するシャトルバスが来るはずよ、
でも確認したかったら、ネクタイの、あの男性に尋ねてみるといいわ。

とフランス語なまりの英語でニッコリと答えてくれた。

その部屋で唯一ネクタイをしている、
すなわち、最も位が高いであろう男性に尋ねてみる。

すると、私の乗る便に十分間に合う時間内にはもうバスは来ないので、
外へ出てタクシーを捕まえるように指示された。

そんな!ここまで30分くらいも待ってたのに!!

という怒り少々と、手遅れになる前に確認して良かった、
という気持ちの両方で、
荷物の乗ったカートをハイ・スピードで押してダッシュする。

さっき私に右に行け、といったおじさんに
国内線の空港へ移動しなきゃ、と告げると、
今度は当然のように左にある出口をさした。ウキー 

外へ出ると、黒色のフィアットが並んでいる。
より正確に表現すると、道ぎゅうぎゅうに詰まっている。

ムンバイ国際空港のタクシー乗り場は、プりぺイド制で、
窓口で行き先と乗車者名を告げて、
あらかじめ決めた値段を払うようになってるので、ボラれる間違いがない。
でも今の私には、人々がむらがるこの長い列に並ぶのを待つ余裕は無いので困った制度だ。

プリペイドじゃない、タクシーはいない?
と運転手さんの群れに呼びかけると、
きれいにアイロンされたシャツにルンギーを着た、
清潔そうなお爺ちゃんが、どこからか現れた。

警戒しながらも、こちらの事情を話すと、

「どこから来たの?日本! ウェルカム・トゥ・インディア! 大丈夫!」

と皺だらけの笑顔で、窓口まで私を連れて行ってくれる。

「この外国から来た女性の乗る飛行機が、もうすぐ出発してしまう」
「だから、先に通してあげてほしい」
「せっかく、わが偉大な国インドへ来たのだ」

という(多分)スピーチを並んでいる人々にして、
人の群れを掻き分け、チケットをもぎ取ってくれた。

譲ってくれた人たちにお礼を言って、タクシーの列へ戻るけど、
今度は指定されたタクシー番号をつけた車がいないぃ。
大声で番号を繰り返すおじいちゃん、集まってくるドライバーの人たち。

わらわらわら どうした どうした 

この数字は、1じゃなくて、7じゃないのか?
7223なら、ここにいるぞ。

でも、番号が1に見えると、出口で係員に文句言われるから
書き直してもらってくれ。

と言われて、大丈夫!ノープラブラム!
とまた何百メートルか離れた窓口へ走って戻るおじいちゃんの後姿・・・

ゼーゼー息を切らせて戻ってきた彼に、正しいタクシーに乗せてもらい、
100ルピー札一枚と、タイ航空を降りるときもらった蘭の花を
ありがとう、と渡した。

イヤイヤ!と言われたけど、
私一人だったらこれ絶対ムリだったから。
と押し付けて、両手を合わせて、お礼をして、
座席が沈み込んだような年代者のタクシーはブルンンと発車した。

空港の出口、信号で止まると、窓をノックしてくる赤ちゃんを連れた女の子。
手を口に運ぶ仕草、 10 ルピー・・・・という小さな声。

小銭が無かったので、バンコクで買ってきたタマリンドのお菓子を上げた。
嬉しくなさそうな彼女の顔は、子供の顔じゃないほど年をとって空っぽで、
インドに来たことを強く感じた。

2009年9月1日火曜日

I see you again this winter


あっというまに9月が来ちゃった。
時間が経つのが、速い速いと言い続けて、
死ぬ前になって「ああ、人生速かった」で
チャンチャンまとめちゃうの、嫌だわ。

確かにやることは、いつもたくさん十分あるんだけど、
これまでだって間に合わなくて死んだり、したことないし、
私は今を生きている。

なんとかならない訳は無いから、あせること自体をもう辞める。

秋の匂いを嗅いで、動かなきゃ、と思って、
昨晩ようやくアーユル研修仲間のシャンタールにメール。

フランス領のユニオン島に引退してるホメオパスの彼女との
プーナでの共同生活は楽しかった。
彼女がいたら、またあの過酷なインド生活も頑張れるかも。

時期をあわせて、冬のインドで!

2009年7月8日水曜日

Hail to Bhadant-G Arya Nagarjuna


先月でかけた香港のことを少し。

せっかくレギュラークラスをお休みして香港に行くなら
仕事だけじゃなくて、自分の時間も欲しいのだけど。
というか、海外に行くのに、たった2泊3日なんてMOTTAINAI。
強引な理屈で同行するスタッフを納得させ、
一足先に降り立った香港特別行政区。

最近なんだか、気になっていることがいくつかあって
日本の磁場を離れて外に出ると、少し自由に考えることができるから、
香港に行くのはきっと良い機会になると思った。

この気になるモゾモゾは日本をたつ直前の週末に、
ヨガの生徒さんと連れ立って 護国寺で行われていた
佐々井秀嶺氏の講演会にでかけたことも関係あると思う。

このお坊さん、佐々井氏は、インドで生まれつき「不可触民」
つまり触るには穢れすぎているとされるカーストに生まれた人たちを、
仏教徒に改宗するムーブメントをひきいている人で、
もう44年という気が遠くなるほどの長い時をインドで活動している。

不可触民はインド人口の8割を占めていて、
人権ナッシングなひどい状況にあるそうだ。
アカデミー賞を受賞したスラムドッグ・ミリオネアを観た人は
頷くことができるかもしれない。
そして、インドを旅した人なら、リクショーが止まるたびに
手を口に運び食べる仕草をしながら
袖を引っ張ってくる子供の物乞いに会ったことがあるのでは。

仏教では瞑想をして真我を知るっていう手法が有名だけど
目を閉じて世界を見るのをやめるよりも、
自分の心の平和を懸命に探すよりも、
もっと先に大切なことがあるよ、と佐々井氏はいう。

集団暴行を受けて道端に放置されてる女の子を助けたり、
ご飯が食べられない子供に食事を与えたりする、
今そこにある悲しさやムゴさを、手を伸ばして救ってあげることの方が
よりリアルで大切な仏教の心だ、って話していて。

圧倒的な迫力、積み重ねてきた経験の重さ、そして平成人には欠けてる
大きな声量の彼を前の列に座って聞いた。

ヨガを練習して、まず自分の内側から平和を効かせて、
そこから外側にその調和を広げていこうと試みている恵まれた身にある私は、
ひどく揺さぶられて、答えを無理やり出そうとしないままにも、
何かが、言葉にならない棘が、心にひっかかった。

2009年3月30日月曜日

shri ganesha

パハルガンジーの通りはニューデリー駅からまっすぐ延びる。
各国から集まったバックパッカーや怪しい仕事をしている人が
宿泊する安宿が路地に立ち並び、深夜まで活気がある。

貴重品を肌身離さず見に着けるためのマネーベルトや
皮で出来たサンダルに、色鮮やかなワンピース、
あったかそうな厚い靴下に、あると便利なウール100%の大判毛布。

冷涼なヒマラヤへ、または常夏のゴアやケララへ
ここから旅を始めるために必要な装備が
英語が達者な、ときに強引な客引きによって売られている。

私の宿は 蛍光灯ではなく間接照明であるのが嬉しい。
部屋も清潔で新しく、バスルームには可愛いタイルまで貼ってある。

セージとゼラニウムのエッセンシャルオイルを焚くと、
すぐに部屋は親しみのある甘い清潔な香で満たされた。 

旅の最終地点のここでは
荷物が増えても構わないのだから。
と言い訳を自分にして、私は買い物をすることにする。

アーユルヴェーダのハーブに 
逆転のポーズをしてもずり下がってこない
ヨガに使えそうなアラジン・パンツたち。
輸出用のハイ・グレードなエッセンシャルオイルを扱う
店を見つけたときは、心が躍って
半日そこで色々な香りを嗅いだ。

戦利品が詰まったビニール袋の紐を腕に食い込ませながら 
パハルガンジー通りを歩いていると
後ろから人の歓声が上がっている。

振り返ると、大きな象が二匹 すごい速度で
ドシンドシンとこっちにむかって行進してくる。
顔には化粧を施され、4、5メートルはある高い背中には
座席が括り付けられ、御者が座って方向を指示している。
人間も人力車も脇に下がり この巨大な生き物に道を空ける

通り過ぎた象を、追いかけてお尻をさわらせてもらったら
波状にデコボコした肌には、太い毛がトゲみたいに生えてた。
さわりがてら ガネーシャのマントラを口ずさみ

日本にいる象が大好きな やさしい友だちの笑顔を思い出して
彼女に会いたくなった。