2009年3月30日月曜日

shri ganesha

パハルガンジーの通りはニューデリー駅からまっすぐ延びる。
各国から集まったバックパッカーや怪しい仕事をしている人が
宿泊する安宿が路地に立ち並び、深夜まで活気がある。

貴重品を肌身離さず見に着けるためのマネーベルトや
皮で出来たサンダルに、色鮮やかなワンピース、
あったかそうな厚い靴下に、あると便利なウール100%の大判毛布。

冷涼なヒマラヤへ、または常夏のゴアやケララへ
ここから旅を始めるために必要な装備が
英語が達者な、ときに強引な客引きによって売られている。

私の宿は 蛍光灯ではなく間接照明であるのが嬉しい。
部屋も清潔で新しく、バスルームには可愛いタイルまで貼ってある。

セージとゼラニウムのエッセンシャルオイルを焚くと、
すぐに部屋は親しみのある甘い清潔な香で満たされた。 

旅の最終地点のここでは
荷物が増えても構わないのだから。
と言い訳を自分にして、私は買い物をすることにする。

アーユルヴェーダのハーブに 
逆転のポーズをしてもずり下がってこない
ヨガに使えそうなアラジン・パンツたち。
輸出用のハイ・グレードなエッセンシャルオイルを扱う
店を見つけたときは、心が躍って
半日そこで色々な香りを嗅いだ。

戦利品が詰まったビニール袋の紐を腕に食い込ませながら 
パハルガンジー通りを歩いていると
後ろから人の歓声が上がっている。

振り返ると、大きな象が二匹 すごい速度で
ドシンドシンとこっちにむかって行進してくる。
顔には化粧を施され、4、5メートルはある高い背中には
座席が括り付けられ、御者が座って方向を指示している。
人間も人力車も脇に下がり この巨大な生き物に道を空ける

通り過ぎた象を、追いかけてお尻をさわらせてもらったら
波状にデコボコした肌には、太い毛がトゲみたいに生えてた。
さわりがてら ガネーシャのマントラを口ずさみ

日本にいる象が大好きな やさしい友だちの笑顔を思い出して
彼女に会いたくなった。

2009年3月18日水曜日

spiritual sisterhood

インド出発前日 必然の再会を果たした 友だちと夜ご飯。
ヨガのティーチャートレーニングを一緒に受けた彼女は
今の私に影響を与えた人の一人。

2005年の彼女はローフードにどっぷり浸かっていて
彼女のお家に遊びにいくと、
発芽したヒヨコマメで作ったフムス 
ナッツバターで作ったオレオもどき
カカオの実とデーツとアーモンドミルクのシェーク とか 
面白いものばかり食べさせれてドキドキしたっけ。

UC バークレー大学までの道をウォーキングしながら
聞くのはグルマイのmp3というような筋金入りの探求者であり

私がヨガマンダラで先生として教えた最初のクラスにも
参加して、終わった後 ほめてくれたんだった。

いっぱいおしゃべりして、あの頃いい時を過ごしたな!

頭が良くて やさしい心の持ち主の彼女は
この数年、デリーで学校の先生をしている。
チベットの尼僧やデリーのスラムの子供に英語を教える
プロジェクトに積極的に参加したり
ブータンで研究の成果発表をして国王に謁見したり。
ノーベル平和賞にもノミネートされた
ベトナムの禅僧 ティク・ナット・ハンの教えを熱心に学んで
ますます輝きを増していた。

ねえ香、私たち二人とも、すばらしい両親がいて 最高の教育をうけて
身体も健康で、20代からこういうこと勉強する機会に恵まれて
こんなに恵まれたこの人生で 
リアライズ しなかったらもったいないわね?

と別れ際に、ラーマナマハリシの山でとってきたという石をくれた。

origin of yoga

ヨガの起源、それがいつ起こったかについては諸説ある。
現役で活躍する研究者で最も有名な人の一人が
ジョージ・ファレンスタイン氏で
彼の本によると、ヨガのポーズをとっている像や印章が
ハラッパ文明・モヘンジョダロ遺跡で見つかったとされてた。

今日はデリーのナショナル ミュージアムへ。
ここは写真撮影OKで 日本語のオーディオガイドも用意されてる。
そこで見つけた 小さな 蓮華座やムードラをとってる人形たち
紀元前2000年~2700年 のものだそうだけど 
こんなのが偉大なヨガの起源、でいいのかしら、
と思ってしまうほど、なんというか、たどたどしい造り!

ナショナルミュージアムは 電気がついてなかったり
欠けてる展示があって非常にユルいんだけど
美しい楽器や武器の展示もあって
そしてインドの神さま勢ぞろいでなかなか良かった。

サンフランシスコのアジアンミュージアムに行った時
日本のセクションで縄文時代の埴輪が展示されてた。
ぽっかり空いた目を見てたら
こんな遠いところに見世物に連れてこられてって
なんだか気の毒に感じたのを思い出した

2009年3月14日土曜日

holy shit !


明日はホーリー祭だから ホテルの部屋に引きこもるように
食べ物をストックして 夕方まで出かけちゃダメだよ。
と注意された。

ホーリー祭りの起源は、クリシュナ神が遊び心で 
色のついた粉をガールフレンド達にぶつけたことによる。

面白そうだから、カフェに来てカオスを
見物しようかと思ってたんだけど、というと、
それがどれだけ危険なものかについて警告が降りた。

色粉は粗悪なものがマーケットに出回ってて
肌に残る、服がだめになる、目に入ったら危ない。
最近は鬱憤を晴らすために
水風船のなかに小石をいれる悪質なケースもあるし
とくに外国人女性は胸をさわられたり抱きつかれたり
インド人男性の抑圧されたセクシュアリティーが
存分に発揮される日になるから、おとなしくしておくように。
この通りは、警官が出てくるような無法地帯になるから。

ふむ。そうか・・・

じゃあ避難にそなえて、備蓄しましょう。
クッキー、クルミ、温めて食べれるスープと
水も2リットルちょうだい。と買い物してると、
もう色粉かぶった人たちが向こうから歩いてくる。

もとの肌色がわからなくなった 外国人のカップル。
シャツがピンクのまだらになった、お菓子屋さん。
顔を真っ赤にそめて水風船を持った子供たち。

どうやら、もう始っている?

ホテルの前にたむろってるティーンエイジャーが
水をぶつけようとして、近寄って来るのが見えたので
やめて!私は参加してないから!
とあせって叫んだけど、
ホーリーだもんね!とあてられてしまった。
幸い中身は水だけだったけど。

そしてビルの上からも水風船が投げつけられた!
ワンピースの後ろが濡れてしまう。

悔しい・・・わたしにも武器をちょうだい!!
と思わず水鉄砲と色粉を露店で購入したくなるけど
日も落ちてきたし、この旅は安全第一だ、と踏み留まる。

ホテルまでの距離は、まだ随分ある。
これ以上被害にあわないためには?

壁際をつたって、そろそろ目立たないように歩き
標的になりそうな最後のオープンエリアは忍者走り。
久しぶりに全力で走ると、心臓がドキドキする。
無事にホテルに駆け込んで後ろを振り返ると
インド人が笑って拍手をしてる。
大きく手を振りかえし、
受付の人に、もう明日の夜まで一歩も外にでないから!
と宣言して、屋上のレストランで高みの見物とする。

階段をあがると、レストランの店員さん(中年)も水風船を作って
仕事しながら通行人に投げつけて笑い転げてる(ここは4階)。
なんて、クレイジーな祭りなんだ。

Indian cough



インド咳、というものがあるらしい。
なにか、外国人が受け付けない粒子が飛散してて
肺をイガイガさせ、おおよそ25%の外国人旅行者が
滞在中に呼吸器系の疾患を起こすそう。

咳止めのレメディー覚え書き:

+ はちみつ 小さじ1
+ シナモン 小さじ4分の1
+ ピパリ(長コショウ)小さじ4分の1

=混ぜてなめる

咳はカファに関係してるケースが多いので 
それを増加させるような食べ物は避ける

・米、魚、牛乳(特に冷たいの)、バナナ、ヨーグルト、甘いもの

・強い風に当たることや、水を避ける
・お風呂や髪を洗うのも我慢して
ギュット絞ったお湯につけたタオルで
身体を拭く程度にとどめる

・出歩かず、休む (これが旅中では難しい)

アロマセラピーも役立った。
ベースオイルに
+ ユーカリ + ラベンダー + ローズマリー
胸骨から鎖骨、のどにかけて寝る前にマッサージ!

そして旅先のホテルにこもった臭いを払うために

アロマポットを買って
がんがんユーカリとラベンダーを炊いたら
大分楽になった。

ユーカリが呼吸器系統に効くのは本当!

コイル状になってる超シンプルな構造の
湯沸かし器も50ルピーで購入。
それで同じく咳によく効き免疫力アップ☆な
トゥルシー茶を淹れて飲んでる。

2009年3月13日金曜日

when I feel that separation


勝手に思いついた全く正統性の無い瞑想方法を
寂しいとき練習してる

108粒の数珠を右手に、一粒ずつ送るごとに、
友達や仲間や家族や恩人などの笑顔を思い浮かべて
自分も彼らが幸せであるように心の笑顔を送る。
もう数珠一周じゃ追いつかないくらい
どんどん人の笑顔が浮かんでくる。
 
自分がどれだけ回りのお世話になってるか
愛されてるかがわかって 
じーんとして、ハートフルな気持ちになる。

仏教でお世話になったこと、されたこと、したことを
生まれてから今までの間の分 洗い出す作業をする
行法があるけれど、それと似ている。

一人で立ってるっていうのは幻想にすぎなくて、
片方がお世話になりっぱなしでもなく、
あげて、受け取って、という
一方通行の単純な関係でもない

聖者のことばで

わたしが すべてであることを知るとき それは愛である
わたしが なんでもないことを知るとき それは知恵である
そしてその二つの岸の間で 私の人生は揺れる

今読んでるアイ・アム・ザットのニサルガおじさんも

人生の川には岸がある
片側は喜び
もう片側は悲しみ
どっちの岸も岸にすぎない 
ただ流れていくことだ

流れに逆らったり 
留まろうとじたばたすると苦しみが生まれる

と言っていて心に残った。

random conversation


めがねをかけた坊主頭が、くわえ煙草で前の席に座った。
昼下がりのジャーマンベーカリー、読書中の私。
他にも席はたくさん空いてるっていうのに。

タバコをふかしながら話し始めようとする彼に
とりあえず一緒に座るなら、その臭いのを消すようにいうと
これは自分で買ったんじゃなくて人からもらったんだ
とぶつぶついいながら、もみ消した。

リシュケシュはどう?いいヨガの先生見つけた?
と軽く質問すると

ぼくはヨガしに来たんじゃなくて、
この偉大な人がグル(師匠)なんだ。
とラーマナマハリシの本を見せてきた。

ラーマナマハリシのアシュラムがあるのは南の山でしょう。
なんで、あなたはここにいるの?

と聞くと、すでに亡くなられたスワミジのお弟子さんが
去年彼の地元であるロシアにやってきて話をし、
すっかり感動してしまったらしい。
その人が住むリシュケシュの郊外を目指してやって来たそう。

実は、そのとき私が読んでいた本も
ラーマナマハリシの「Be as you are (邦訳)あるがままに」
だった。どうしようかな・・・と思ったけど、
本の表紙を見せてみる。

おお!君もスワミジの本を読んでいるのか!!
何と・・・すばらしい。スワミジ!!!
と、涙を浮かべながら表紙にある肖像に口付けし
それを自分の額にあてながら嗚咽始めた。

ここはリシュケシュ、平常心でいよう。
でも心の中で 読んでる本に、水分をつけないで欲しい~、
と思っていた。

ロシア語とサンスクリットは発音や単語が共通らしい。
マハムリトゥンジャイマントラを唱えて
これはもう、ロシアの言葉そのものなんだ!だって。

宿に帰って、ベランダで本を払い、続きを読み進める。
ラーマナマハリシが、タバコを吸う習慣を 有害な習慣だと
否定してる箇所にあたり、二重の意味でおかしくなる。

はじまりと終わり、原因と結果、肉体と健康もすべて
「私は I AM」でくるみこみ、
超越した真我の存在のみが宇宙の全てであると
伝え続けた、究極的な非二元論者の聖者と、
その生徒との遭遇について。

ロシア人はプーナのオショー・アシュラムにも多数来ていた。
経済の自由化の次は、魂の自由化が進行中?

そして絶えず流れる大きな川を前に、
もうそれ以上考えるのをやめた。

2009年3月11日水曜日

you will be fine, 100%!

で、そんなことやあんなこと、
批判と感嘆が入り混じる思いで
沐浴する人たちの模様を眺めていたら、
私のほうが風邪をひいた。

熱はすぐ引いたけど、咳に交じって黄灰色の痰が大量に出てくる。
これはプーナの街で吸い溜めた 
排気ガスに含まれる有害物質が出されてるのかな? 
全部出ていってしまえ!と、あまり気にせず、ヨガめぐりをしていた。

あるアシュラムの門に座って、他の国から来た人たちと
始る時間を過ぎても来ない先生を待ってた。
その日は先生が開始時間30分以上たっても現れなかったので
私は 体調もイマイチだし、また明日来る、と、
まだ待っている他の子たちに言い残して、
ラクシュマンジュールの、まだ通ったことの無い小道を探検はじめた。

咳の発作がまた来たので、保温瓶に入れた白湯を飲み、
携帯のトイレットペーパーで鼻をかむ。
ヨガしなくて正解だったかも、それにしてもこの咳続くなぁ
肺炎とか気管支炎だったらどうしよう、ちょっと不安になる。

すると、下ってる坂の真ん中に
小さな医療クリニックが目に入った
B.A.M.Sの文字が看板に書かれている。
アーユルヴェーダの先生だ!
中にいる おじいちゃんと、おばあちゃん先生も
良さそうな人だったので
「咳が止まらなくて、、、でももう熱はひいたんだけど」
というと、座るように手で示されて、脈をとられた。

体温計を引き出しから出し、
口にいれてはかるよう促されると、
なんと、38度7分の熱!
数日前よりずいぶん下がってるように感じてたけど
これはひょっとして もっと熱が出てた~?

ヨガは、だめですよね?と念のため、たずねると、
ガンジーのような丸メガネをかけた先生は身を乗り出し、
もちろんダメ! 
また明日、昼ごはんの後から夕方までの間に来なさい、
と、アーユルヴェーダの丸薬を何種類かくれた。
そして、この薬を飲んで よく休めば 元気になるよ、
100パーセント!とニコニコ保障してくれた。

熱があることに気づいて良かった~という安堵の気持と
せっかくリシュケシュにいるのに・・・という残念さ。
食事も豆のスープとローティーに舞い戻り、
ここで一時休みです。

2009年3月9日月曜日

growing wise

朝のヨガクラスに参加するため、マットを持って歩いてると、
昨晩のクラスで顔見知りになった女の子がおはよう!と声をかけてきた。
あなた、どこから来たの?うーん、カナダ?と当てずっぽうすると、
当り!でも今はアフリカに住んでる。
タンザニアで現地の子供のための孤児院で働いてるの、だって。
見た目は髪をツンツンに立て、朝からアイラインをばっちり入れたパンクな子

どれくらいヨガを練習してるの?あなた何歳?と聞かれたので、
年齢を答えるとうわーーーー、若く見えるね。
ヨガってやっぱ 効くんだね!と、大げさな反応をしてくれた。

ふつうは、良くないことが起きたときに、
すぐに反応して顔しかめっつらにしたり、皺をよせちゃうけど
ヨガやってると、お任せする気分が出てくるから、それが減るよ~!
呼吸も続けるとでっかいよ~というと、
私もがんばるわ!とやる気を出していた。

私がクラスでも、一番若いゾーンにいた時もあったのに、
新しい世代の子たちがたくさん入ってきて、
こうやって、知ったかする年になったんだな

これから年をとっていく、っていう可能性について。
40代、50代、60代、70代、80代まで生きるかもしれない。
長い目で見て、わたしはどうしたいんだろう?
愛情、お金、キャリア、知識、社会的評価、いろいろあるけど
本当に大切なものってなんだろう?
それを見極める「賢さ」を見つけられたら、と思うのです
インドにいると、色々考えます。

2009年3月7日土曜日

hello Rishkesh

「世界一のヨガの首都」という看板を掲げているリシュケシュに
到着したその晩、たまたま出かけたアシュラムで
「世界ヨガ祭り 第8回」の開会式をやっているところに遭遇。
TVで一日何回もヨガ番組をしているスワミ・ラムデブをはじめ
著名なヨガの流派の代表が集っていた。
この町には、玄人から、初心者まで、ヨガをしたい人たちが集う。
ヨガの先生になるためのトレーニングも数箇所でやっているし、
イスラエルの「兵役終わったよう!」っていう若い子の集団から、
夫婦で来てる人に、年配のソロ・トラベラーまで。
ビートルズがマヘリシ・マヘシ・ヨギのアシュラムで
ホワイトアルバムをかいたことで、
リシュケシュは一気に一般の人の間でも有名になったけど、
昔からここではシヴァナンダ師やグプタ師なども活動していて
スピリチュアルな波動で満ちているらしい。
そのため、ここで瞑想すると、意識を拡大するのに
効果的だそうだけど、本当かな?

アシュラム・スタイルの簡易宿場が、川の両岸に立ち並ぶ。
私はガンジス川に面した バルコニーのある角部屋を
とることができて、満足している。

広くて清潔なこと、そしてお湯が24時間出るのは、ありがたい。
夕方のクラスを終えて、食事をすませて宿に帰ると
対岸のアシュラムから、プジャのチャンティングが盛大に聞こえる。
イスをベランダに引っ張り出し、毛布にしっかり包まって川の音を聞く。